2011-01-01から1年間の記事一覧

俊頼無名抄の著者と其の著述年代(下)

岡田希雄 藝文 12(7): 368-385 (1921) 以上論じたやうな譯であつて博士が本書を以て俊頼の著述でないとせらるゝ論は博士の精緻なる學風から餘りに懷疑的態度をとりて疑ふ可らざるもの迄も疑はれた結果であるから其の論據は有力でない。然るにこの三論據を盾…

俊頼無名抄の著者と其の著述年代(上)

岡田希雄 藝文 12(6): 354-381 (1921) 平安朝末期より鎌倉初期へかけての時代は歌壇の状態が非常に活氣を呈した時で同時に歌學も是にともなうて隆盛であつたが、この時代のものであると一般に考へられて居る歌學の書に、元來定まつた名稱のない抄物と云ふ意…