2008-10-24から1日間の記事一覧

二 師輔傳の夢物語

師輔傳に 「大かた此の九條殿いとたゞ人におはしまさぬにや。思し召しよる行末の事なども、かなはぬは無くぞ、おはしましける。口惜しかりける事は、いまだいと若くおはしましける時、『夢に朱雀門の前に、左右の足を西東の大宮にさしやりて、北向きにて内裏…

一 業平中將と王侍從との相撲

われ〳〵が大鏡を讀む時には、たゞ何氣無く獨りで讀む時も、教科書として教室で解釋する時でも、概して、事實の穿鑿には觸れないのが普通であるやうであり、たゞ本書の成立年代の考察を試みる時のみ、其の考察に役立ちさうな事項の考察に努力する位の事であ…

大鏡雜考二條

岡田希雄 國語・國文 5(2): 86-91 (1935)