2008-02-07 一一三 唇頸(四八) 新譯華嚴經音義私記倭訓攷 箋註 ○一一三 唇頸(四八) 上口比流{クチビル}、下久鼻{クビ} 慧苑に無し。口比流はクチビル。(現在ではクチビルの語しか無いが、本書六十八卷にクチザキラがあり、和名抄にも見える、其の條參照)比の假名の當否不明。クビは記の三貴子分治の條に御頸珠、萬葉集にワガ戀ハチ引ノ石{イハ}ヲ七バカリ頸二將繋母{クビニカケムモ}とあるが、假名書の古いものは無い、新撰字鏡や和名抄には無論見える。ビの假名不明、倭訓栞はクビの後{ウシロ}のクボミ即ちボンノクボに基く名と云ふが信ぜられない。但し狩谷望之は從うて居る。