2007-12-14 六〇 顧戀(二〇) 新譯華嚴經音義私記倭訓攷 箋註 ○六〇 顧戀(二〇) 上眷也、音故、下利引反、古布{コフ} 慧苑には廣雅曰顧眷也とあるのみ。戀フの假名書は、記の沼河日賣の歌に「アヤニ、ナ古悲キコシ、ヤチホコノ神ノ命」をはじめとして萬葉集にはざらにある。コは甲類を書くから古布で正しい。戀の音利引反はリンの音を示すのだが〈標記するなら、當時としてはリニである〉同じ韻の×〈䜌の下に女を書く、戀に通ず〉を書いた團×を、東大寺諷誦文で陀ニリニと音註して居る例もある。和音である。