八〇 扶疎(二三)

○八〇 扶疎(二三)  上輔虞反、説文扶疏四布也〈○以下廿九字略〉于刀之ウトシ
慧苑に無く、大治本にあり、一部分其れに據りて居るが、字體に關する事多いので大部省略し、倭訓に關係あるもののみを擧げた。疎疏字等皆足篇にして居るが今意改した。ウトシの語、琴歌譜の長埴安扶理ナガハニヤスブリに宇止祁止毛とあるが、新撰字鏡に無い、世尊寺字鏡などにはあり、物語文では伊勢物語にも見える。トの假名の當否判らぬ。但し有坂氏の法則に從へば、甲類の刀で可いやうだ。