一五九 蹈彼門閫(六八)

○一五九 蹈彼門閫(六八)  蹈、徒到反、閫、苦本反、蹈蹋也、閫門限也、之岐美シキミ、又閫字爲×(旁は困/篇は木)
慧苑に據つて居る。和名抄に之岐美、俗云、度之岐美、枕草子第二段にもトジキミとあるが新撰字鏡は天治本も享和本も止自支に作るので、箋註和名抄に、美を脱したのだらうと云つて居る。しかし國語辭典の如く、略語と見られぬ事もあるまい。此の語、後にシキヰとなり敷居の字を當てゝ居るが、其れも亦單にシキと云ふやうに成つて居る。其のシキヰはシキミの訛であると望之は云つて居る。シキミの語原不明だからキミの假名は判らぬがシキは敷に關係ありとすれば岐で可い。