三 架險航深(序)

○三 架險航深(序)  架謂置㆑物在㆑高懸虚㆑之上也、亦云、波之由布ハシユフ、航何剛反、説文曰方舟也、言遠來者、莫㆑不㆑登㆓度深險㆒也
慧苑と一致する、大治本とは一致せぬ。漢文註はガケハシ式のものを云ふのだが、ハシユフが棧式のものを作る場合に限つたか何うかは判らぬ。ユフはユヒ㆓八佐受 ヲ引結幣魯ヘル葛目ツナメ大殿祭祝詞取結繩葛顯宗紀の結であり、上代には家屋や橋の類を作るに繩〈物は葛や藤蔓であつたらう〉を使用したからである。しかし作ると書いてある例も、記の本牟智和氣御子の條作㆓黒樔橋㆒と見える。とにかくハシユフの語は珍しい。なほハシの語は武烈前記コモマクラ、タカ播志スギ景行記十八年ミケノサヲ麼志バシなどありて珍しく無い。