一五 棟宇(五)

○一五 棟宇(五)  上都弄反。屋×也、×於靳反、脊也〈○十八字中略〉倭言牟年ムネ
×は木篇に,㥯を旁とした文字。漢文註は慧苑に據つたのだが、慧苑に見えない事もありて私記の方が長い。胸の假名書は記・萬葉に珍しく無いが家屋のムネは見當らないやうである。仁明文徳朝頃の物と覺しき山田孝雄博士解説による〉東大寺諷誦文稿に梁をムネと訓み、棟にウツの訓を施して居る。ウツはウツバリを完全に書かなかつたのである〈かゝる例本書に多し〉新撰字鏡は×・棟其の他の字を牟禰と訓み居る。