2007-11-26 四二 臭穢(一五) 新譯華嚴經音義私記倭訓攷 箋註 ○四二 臭穢(一五) 上主、訓久左之{クサシ} 慧苑に無い。新撰字鏡に久作志・久佐志・豆久佐之とある。ツクサシは魚が腐敗して臭氣を放つ場合に云ふ。萬葉集に「穗積の朝臣が腋草を刈れ」とある腋草は腋毛の義に見られて居たが近頃は腋臭の義と解する説が有力と成つた。自分も亦、此の歌としては腋臭の方を取るのだが、これが正しいとすれば、ワキクサのクサは無論クサシの語幹である。又和名抄のワキクソはワキクサの轉では無く、臭いから糞便を連想し、ワキクソと云つたとすべきである。