八三 獄囚(二三)

○八三 獄囚(二三)  〻音受、訓人舍ヒトヤ也、獄囚也
慧苑に無し、經では一二五オ上七に見える。註の最後の三字は不要であらう。人舍はヒトヤと訓ませるものであり、漢語では無い。ヒトヤは紀古訓、靈異記中卷二十二話訓釋、和名抄、拾遺集卷十九雜戀等に見える。古事記傳三十四、天之日矛が賤夫を獄囚に入れんとする條に「獄囚は比登夜と訓べし、人屋の謂なり、凡て屋はみな人の屋なるに、ワキてかく名くるは、物を入るゝ如くに、人を置屋コメオクヤなるを以てなり、ヒツギと云と同じ例なり」と説明して居る。