一二四 漿(五九)

○一二四 漿(五九)  音將、訓古美豆
慧苑に無し。漿字を小字で書いて居るのは誤、美字も承に誤り、別筆で美と訂正してある。コミヅは願經四分律の假名點に粉水反〈反は訓の義〉とあり、令集解職員令〈一四六頁〉にも粉水とある。新撰字鏡に古水、和名抄に「古美豆、今案濃漿之名也」とある〈今の重湯だらうが濃水とすると記應神段の歌により許美豆とありたい所、案外製造法は文字通り粉水では無かつたらうか。それなら古美豆で可い〉コミヅは後にコムツと成つた。名義抄〈法下三〇〉にコムツとある。コムツはコンヅと發音したのであらう。